淫工場
イラスト/中田春平
 あの夜から、もう3年の月日が経とうとしている。あの工場はもう、新築のマンションに立て替わり、すでに面影はない。
 あのあと、あの野郎とは一度も会っていない。でもきっとこの街のどこかで、あの青筋立ったマラのような肉体を誇示しながら、夏の日射しの中、歩いているのだろう。
 今年の夏も俺は休みもそこそこに働いている。時折、気が向いた時に、あのあと開発して、やっと小さな拳の貫通した尻の快感を、セフレと楽しんでいる程度だ。
 仕事から帰り、ふと、気になって、あの工場跡に建ったマンションの前に、俺はあの日を懐かしむように向かってみた。
 妙な造りの1階 エントランス部分の脇、直角に曲がった廊下を左に曲がったその先に、地下へと降りる、うす暗い階段。
 降りきった狭苦しい空間。その左脇の扉に、見覚えのある貼紙。……!
「淫工場」の、夜はまだ、終わったわけではなさそうだ。
 おずおずとドアノブに手をかけ、そっと回してみる。鍵はかかっていない。少し軋みながら扉が開く。黒い布のような間仕切りで囲まれた、さらに暗く狭い空間。右手には、ほの明るい明かりが一つ、灯っている。
「地下室へようこそ。ビジターの方ですか?」明かりの向こうから、そう声がした。思わず身体が緊張し、少し震える。
「あ、あの… 実は3年ほど前…」俺は後先のことも考える余裕なく、あの夜のことを、見えない相手に話し聞かせた。あの時の緊張と、その後の快感が蘇る。もうチンポはパンツの中で上を向き、パンツの前を持ち上げている。
「そうですか、そういう方も多いんですよ。それなら大丈夫です、お入りください。コスチュームはおいり用ですか? ……」あの夜の、あの時の男の声とは少し違うらしい。が、確かにあの時と良く似た、説明… そして、最後に。
「地下室内は危険ですので、ヘルメットの着用をお忘れなく」と3個のコンドームとケツ割れを、間仕切りの隙間から手渡された。

 黒い布の間仕切りをかき分けるように中に入る。赤い光。3畳間ほどの広さにロッカーが平行に、列に並んで、突き当たりにも一列。その手間は人がひとり通り抜けられるようになっているらしい。俺はあの時と同じように、借りもののケツ割れの、半勃ちになったチンポの先端を濡らす先走りを拭き取りながら、窮屈な前袋に無理矢理、納めて着替え終えた。
 ふと見上げた天井は案外高い、配管がむき出しになって、どこかのクラブのようだと思った。案外、本当はそんなことに使うつもりのスペースなのかもしれない。
 突き当たりのロッカーの右には、簡易ユニットのシャワーが二つ、誰も使っていないようだ。左は何も見えない暗い空間。少し先に青白く、やや明るいピンスポットのような明かりが天井から射している。
 本当に小さな音で、なにやらバスドラムのような音がする。音楽? も流れているようだ。が、それよりも、はっきりと俺の耳に聞こえはじめたのは、まぎれもなく、何人もの野郎の喘ぎ声だ。
 突き当たりのロッカーを右手に、中を覗く。体臭、雄の匂い。汗と、チンポのあの匂いが益々強く、鼻をくすぐる。あの時と良く似た光景。各所には青白いピンスポットの明かり。その下には、確かにあの工場内にあったのと同じような機械類が、オブジェのように置かれている。そのかげ、その脇、その上で、すでに何人もの男たちが、うごめいている。呻き、あえぎ、ときおり口々に下衆で淫らな言葉を口走りながらサカリ合っている。
 数人の野郎に尻と口を代わる代わる犯される者。中腰で立ち上がりながら、乳首を攻められ、尻の穴に腕を入れられる者。
 もう俺のチンポは納まらない、いきおいを増し、はみ出し魔羅と化した先端を、俺もいじくり、先走りで濡れた部分を責めながら歩く。 ここには、いつどんな時に、こうして男達が集まるのか、それすら解らぬまま。
 ケツ割れ、六尺、ゴムパン、競パン、ハーネス、全裸… それぞれに思い思いの、とびきり淫らな格好で、扱き合い、入れ合い、犯り合っている。あの夜と同じように。
 しかし、今すぐにでも、誰でもいい、ここの野郎たちに犯られたい欲求と興奮を覚えながら、裏腹、俺はやはり、あの時のあの野郎を、無意識に探していた。俺は、野郎たちを物色し眺める振りをして、あの時の、あの野郎の顔、躯を思い出しながら、徘徊していた。

 建物のワンフロアをそのままブチ抜いたような、窓の無いその空間を、埋め尽くすサカリのいついた野郎達。可能なかぎり、物色をかさねて、ふたまわりほどしたが、俺は、あの野郎を見つけることは出来なかった。
 仕方がない、そこまでの縁はなかったのだろう。そんな、少し諦めたような感情もよぎりはしたが、これだけツブの揃った淫獣達を目の前にして、そのまま何もせず帰れるほど、俺も身持ちはかたく無い。
 こんな日に、こんな所に、せっかく運良く入り込むことができたのだから、なにがなんでも腕の一本くらいは味わって帰りたい。そのために拡げたケツなのだ。
 俺は、入り口の黒布の向こうにいる管理人からタオルを受け取り、例のシャワーボックスの所に向かった。ボックスの扉を開けると、当たり前のように、シャワーと肛門洗浄用の2種類が二股に別れて備わっている。 さすがはマニアな集会所だ。
 俺はまだ、シャワーノズルを肛門に押し当てるだけでは充分洗えない。肛門用を使うに越した事はない。人肌のぬるま湯がトロトロと先端の穴から流れ出る、その小振りのディルドの様な筒をゆっくり静かに肛門の内部に押し込む。
淫工場-地下室-2に続く

我ム者ら
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